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PRISTINE friend 内田 啓子さん Vol.3

内田 啓子 さん
欧州と日本の文化、それぞれの美を発信し東と西の文化の架け橋となるための活動を行う。Nishura Ltd. 代表(https://www.nishura.com/)

イギリスのカントリーハウスに泊まる

旅行でイギリスに来られる場合にはホテルに泊まるかB&B (ベッド&ブレックファーストの略。ボリュームたっぷりなイギリス式の朝食がついている民宿のような宿)に泊まるのが一般的ですが、格式の高いカントリーハウスでもその家の主人が宿泊料を貰い、ゲストを迎えています。カントリーハウスを改造したホテルとは違い通常1~3室のみゲストに解放しているので、伝統的なライフスタイルを実体験できますし、この家の主人との会話を楽しんだり、ガーデンでお茶を飲んだり、暖炉の前で本を読んだり、ホテルでのサービスとは違った経験となります。このような料金を支払ってステイする Paying guestを迎えるカントリーハウスのみ登録できる下記のようなウェブサイトもあり、日本から行きたい場所を特定してカントリーハウスを探すことも十分可能です。

ライフスタイルを堪能できる「フランプトンコート」

私もイギリス内を旅行をする際にはカントリーハウスを中心に宿を探しています。下記のフランプトンコートは建築やインテリアも非常にエレガントですし、コテイマナーハウスのガーデンも有名なガーデンで、朝のガーデンの散歩などこの邸宅の主人になったつもりでイギリスのライフスタイルを堪能できます。

カントリーハウスがゲストを迎えている背景

このようなカントリーハウスがゲストを迎えている背景には、大きな古い不動産を代々引き継いでいる家族にとって、着工後数百年経った建物のメインテナンスで屋根の修繕やら家中に繋がる古いパイプの交換など継続的に多額の費用がかかることも関係しています。ゲストを取る必要のないカントリーハウスもありますし、ゲストを迎えたからといって修繕費を賄い切れるわけでもありませんが、この家の女主人のお小遣いになったり、10ベットルーム以上あって家族では使いきれない上に、美しい建築やガーデン、パークを他のゲストにも楽しんでもらいたい。などそれぞれの理由もありますが、大抵はとてもフレンドリーなご主人たちです。

イギリスの文化を愛でながら、日本の文化を伝えていくこと

ティタイムにガーデンで一緒にお茶をいただいて、カントリーハウスの主人と会話を楽しむことなどは英語の勉強にもなりますし、私の場合は日本の文化を知ってもらう良い機会だと思っています。日本に住んでいた頃には当たり前に存在するものであった日本独特の文化である茶道、着物、日本庭園、生け花、和食などは比較的相手を選ばずに会話の弾む話題ですが、映画や音楽、アニメ、文学など、どんな内容であっても「これだけは知識が豊富であると自負している」というものがあると、英語力に心配があっても自信を持って会話に参加できます。日本語であっても初めて会った人と文化的な話題で盛り上ることは簡単なことではありませんので、英語であればなおさらです。ただ、英語という共通の言語を駆使して自分の興味のある話題で堂々と会話をして世界中に友人を作っていくことは、2020年春から始まったロックダウン生活の対極にあるように思います。イギリスの文化を愛でながら、日本の文化を伝えていくことは、日本人であり地球人でもありたいと思っている私に、少しずつ自信という目に見えない芯のようなものを作ってくれているようにも思うのです。

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プロフィール

内田 啓子 さん
欧州と日本の文化、それぞれの美を発信し東と西の文化の架け橋となるための活動を行う。Nishura Ltd. 代表(https://www.nishura.com/)
欧州リテイルマーケット向けバイヤー、マーチャンダイザーとして、買い付け及び売り上げ分析に従事。2012年よりロンドンをベースにインターナショナルマーケティング戦略コンサルタントとして独立。欧州での豊富なネットワークを駆使して日本のライフスタイルブランドの欧州進出のコンサルタントとして、マーケティング戦略、実践をサポート。