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木蓮プリント(シルクスクリーンプリント)の生地ができるまで

vol.40
2019年秋冬コレクションアイテムの中から、リラクシングアイテムで使用した、
木蓮柄のプリント生地(シルクスクリーンプリント)が出来上がるまでのものづくりストーリーをご紹介します。
全てのモノには生まれてきたストーリーがあります。
商品を手にとるお客様へそのストーリーを少しずつでもお伝えできればと思います。

※同シリーズの「木蓮プリント 切替フロントホックブラ&ショーツセット」は、あえて別の方法で生地プリントをしました。
その理由とものづくりストーリは、Vol.39でご覧くださいませ。
  • プリスティンのアンダーウェアに、なにかを描きたい。
    はなやかだけど派手すぎず、大人っぽいシックな植物……
    そこでデザイナーが思い浮かべたのは、アトリエの近くでいつも見ていた木蓮でした。ウォームグレーの枝に、こっくりとしたオフホワイトの花びら。そうだ。どこか渋い、淡いピンクの花にしよう。
    こうしてえらばれたのが、木蓮でした。木蓮の花言葉は、「自然への愛」「持続性」。デビュー当初からオーガニックコットンや自然環境をなるべく汚さない製法にこだわり、持続可能なものづくりを追求してきたプリスティンにとって、ぴったりの花だったのです。
  • 今回の木蓮プリント生地に使用したのは、サテン生地。
    ところで、みなさん「サテン」と聞くと、どのようなイメージが浮かびますか?ドレスやネクタイでよく使用される、シルクやナイロンで作られた、つるっと光沢感のある生地をイメージされる方が多いのでは。「サテン=生地の名前」のように思われがちですが、「サテン」自体は織組織の事を指します。木蓮プリントのサテン生地は、光沢感ある上品さがありつつも、オーガニックコットン100%素材ならではのとろっとした肌触り。素肌でぜひその心地よさをお試しいただきたい、なめらかな着心地が特徴です。
  • そんなサテン生地に、全長30mにおよぶ「フラットスクリーン」という大きな機械を使って、木蓮柄をプリントしていきます。まず、プリントを始める前に、生地の縦と横をきっちりとまっすぐに矯正します。今回のサテン生地は、とてもやわらかな生地感なので、プリント柄にゆがみが出ないよう、より慎重に調整していきます。そして、プリントがスタートしたのちも、機械のメンテナンスをコマメにチェックしていきます。
  • このプリント方法は、一色ごとに版をおこしてインクで刷る「シルクスクリーンプリント」。インク(顔料)は生地の上に載せており、ほとんど肌に当たることはありません。そのため、肌側部分はオーガニックコットンのやさしい風合いで、肌あたりのよい点が、思いやり仕様=「やさしい仕様」なのです。
  • みなさんきっと、一度は経験のある「版画」の原理で、1色ずつ色を重ねることで柄ができあがります。今回の木蓮プリントでは、5版を重ねて、ようやく柄が完成するのです。ほんのりピンクがかった、甘すぎずも女性らしい木蓮柄ができあがる、その様子を動画でご覧ください。
  • プリントで使用する染料にもこだわっています。
    京都の老舗染料メーカーが開発した「ダイストーン」(特許製品)を使用。ナノ粒子の顔料を使用することで、硬くならず、サテン生地の光沢感があり、なめらかな肌触りである、生地本来の風合いはそのままに仕上がるのが特徴です。通常の染料捺染に比べ、染料工程の簡略化にともない、エネルギーを削減できた、環境にやさしく、人にやさしい、そんな染料です。

  • 写真は、職人さんが出来上がりの柄を確認しているところです。見本の柄と照らし合わせながら、出来上がっている柄にずれといった問題などがないか、随時入念にチェックをしています。
  • 途中でプリントが崩れないよう、シルクスクリーンの目詰まりを防ぐために、版を一度水洗いしています。工場さんでプリントをする際に、すべての場合で水洗いをするわけではないそうですが、この淡い繊細なラインのある木蓮プリントでは、この水洗いの工程を作業していただいています。
  • そんなプリント生地を作っていただいたのは、90年以上の歴史を誇る、大阪の工場さん。木版の彫刻からスタートした、この工場さんは、タオルなどの名入れ業(プリント)が創業時当時のお仕事だったそう。そんな工場さんの原点である話をお聞かせいただいた3代目である現社長さんは、ドイツでプリントの技術を学び、いまでも探究熱心!よりよいプリント技術をと、インク工場さん等と協力をして、今でも研究や探究をし続けています。そして、この工場さんが最も誇れる技術が、四角いハンカチにプリントをするという技術。生地に対して、まっすぐにプリントすることが難しい、四角いハンカチを、たしかな技術で確実にプリントしていきます。そんな難易度の高いプリント技術を生かして、今回の木蓮プリントは出来上がっているのです。
  • 今回プリントしていただいた職人さんと社長さんです。90年以上の歴史に基づく、たしかな技術で、今回の木蓮プリント生地はようやく出来上がりました。こうして出来上がった生地は、それぞれの縫製工場さんへ移動をして、アンダードレスをはじめ、パジャマやガウンなどが生まれます。なんとも女性らしいプリント柄で、素肌に気持ちのよい着心地の木蓮プリントシリーズです。
    ぜひお手にとっていただければ幸いです。
  • 木蓮プリント サテンガウン
    寝る前に家で過ごす時間を豊かにしてくれる一枚です。とろっとした肌触りのサテン素材なので、素肌にさらりとはおり、最高の着心地をおたのしみください。