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リアルフリースの生地ができるまで
vol.43
43回目の今回は、リアルフリースの生地ができるまで、を取材しました。
すべてのモノには生まれてきたストーリーがあります。
商品を手にとるお客様へ、そのストーリーを少しずつでもお伝えできればと思います。
2019年秋冬の新作として登場した、リアルフリースのウェア。肌にやさしいインナーやナチュラルな雰囲気のウェアをつくってきたプリスティンにおいてフリースは“異端児”と思われるかもしれません。フリースといえば、アウトドアブランドなどが商品化している、ポリエステルの軽くてあたたかい生地を想像されるでしょう。リアルフリースは、ウールとオーガニックコットン、つまり天然繊維のみで作られています。
オーガニックコットンと無染色ウールの糸を、それぞれ国内で紡績。この糸が編み立ての工場さんに運ばれるところから、リアルフリースの生地づくりがはじまります。
生地づくりで経由する工場さんは、編み立て・洗い・乾燥の3つ。いずれもパイルの産地として知られる和歌山県高野口にあります。
リアルフリースは、編み立ての工場さんのオリジナル生地を参考につくられました。ウールとコットンのWフェイス生地。オーガニックコットン素材だけでは出すことのできない、表情のあるファーを使いたいと思い、「リアルフリース」の生地は生まれました。
さて、編み立てがはじまっています。
生地が編み立てられるのは、1日に20メートル弱。「度詰め」といって編み目の密度をぎゅっと詰めるため、一度にたくさんの量を編むことはできません。この度詰めができるのは、オリジナルの機械をお持ちだからです。
度詰めをしていただいている理由のひとつは、防寒着なので風を通しにくくするため。もうひとつは、ウールの毛が肌側に出ないようにして、肌側を確実にオーガニックコットン100%にするため。回転数を測定器で確認して、生地の長さを測りながら編み立てを進めます。
編み機の上に視線を移すと、なにやら回転するものが……! ピザカッターのような形状の円盤があり、その下にはたくさんの刃。上の円盤と下の刃をかみ合わせることで生地表面のパイルのループ部分を割き、フリースのふわふわとした生地感を出しています。
その手前にあるアーム状のものは、ブラシです。パイルをカットするときに舞う糸ぼこりを、ブラシを回転させて取り除き、カッターの動きを妨げないようにしています。
編み上がった生地がこちら。ふわふわと気持ちがいいものの、生地の地肌が見えて、表面はまだ均一ではありません。
そこで2つ目の工場さんへ。同じ地域にある工場さんで、洗いの工程を行います。生地を洗うと、汚れや細かい毛抜けが取り除けるだけでなく、生地が縮むことでしっかりと丈夫になり、生地表面はふんわりとした素材感が生まれます。
洗いをかける前に、一反ごとに分かれている生地を縫い合わせる「結反(けったん)」という作業があります。仮縫いではありますが、洗いの際によれないよう、まっすぐ縫い合わせることがポイント! 大切な工程です。
さあ、洗います。プリスティンの商品の多くは、生地を洗う工程をお湯や石けんのみでおこなっています。リアルフリースは、お風呂と同じくらいの温度での洗いです。3回くり返して洗いをかけることで、コットンの灰汁やウールの毛を浮かせていきます。ウールを使用している生地なので、洗う前には獣毛ならではのにおいがありますが、このにおいも徐々に消えていきます。
洗った生地は脱水機へ。大きな縦型洗濯機のような脱水機を高速回転させ、水分をしっかりと飛ばします。
こうして洗われた生地の表面をご覧ください!
1つ前の工場さんでの編み上がりはさらさらとした毛並みでしたが、ランダムな毛束のある質感に変化しました。ウールがほどよく縮み、まるで本物の羊のようです。
これで完成!……かと思えば、もうひと手間。乾燥から生地の仕上げまでをおこなう3つ目の工場さんへ、生地が渡ります。
生地の仕上げには乾燥、シャーリング(遊び毛をカットして一定の品質にそろえる「毛割り」の工程)、テンターという3つの工程があり、すべてを担える工場さんは少ないそうです。今回はテンターの作業を見せていただきました。
テンターとは、生地を一定の幅にととのえる工程のこと。30メートルほどある機械に生地を通し、「耳」と呼ばれる端の処理などをおこなうと、生地はまっすぐヨレのない一枚の布として落ち着きます。
テンターの機械の温度は、なんと100~130℃! この高温により、アイロンでととのえたかのような美しい仕上がりになります。しかしウール生地は冬に着るものなので、加工の最盛期は夏。取材をしたのも9月の上旬。職人さんたちのご苦労には頭が下がります。
ついにリアルフリースの生地の完成です! 天然繊維100%ながらふわふわとやわらかく、しっかりと目の詰まったあたたかい生地に仕上がりました。この生地が縫製工場さんへ届けられ、ブルゾンやベストなどさまざまなアウターへと姿を変えます。
糸を生地にする工程は、商品製作のほんの一部。しかしこの工程のなかでも、3つの工場の職人さんがそれぞれの得意分野を生かし、力を尽くしてくださっています。
多くの人の技術やアイディアに支えられた、あたたかなリアルフリース。ぜひお手にとっていただければ幸いです。
ライトリアルフリースケープ/ベビー
表がウール、肌側がコットンの軽くてあたたかいニット素材を使ったフード付きケープ。
フードはとんがり帽のシルエットで、被ると雪の妖精のような愛らしさ。
長めの着丈なので防寒用アウターとして着ていただけます。
長く着られるアイテムなのでギフトにもおすすめです。
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ライトリアルフリースベスト/レディース
表側にはウールの糸、肌側にはオーガニックコットンを使用した軽くて温かいフリース素材のベスト。
表のウールパイルを短くし、より軽やかな着心地に。おうちでのリラクシングウェアにも、軽い運動時や、インナーベストとしてもおすすめです。
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ライトリアルフリースコンビベスト
表側にはウールの糸、肌側にはオーガニックコットンを使用した軽くて温かいフリース素材のベスト。
ミリタリーコートのライナーをデザインソースにした前立て布と、袖ぐりや衿ぐりのトリミングがポイント。
ゆったりサイズで肌寒い季節に軽く羽織れる部屋着としても、お出掛け着としても、男女問わず着られる便利な一枚です。
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ライトリアルフリースコンビコ-ト
表側にはウールの糸、肌側にはオーガニックコットンを使用した軽くて温かいフリース素材のノーカラーのコート。
ミリタリーコートのライナーをデザインソースにした前立て布と、袖口や衿ぐり等のトリミングがポイント。
ゆったりサイズで肌寒い季節に軽く羽織れる部屋着としても、お出掛け着としても、男女問わず着られる便利な一枚です。
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すべてのモノには生まれてきたストーリーがあります。
商品を手にとるお客様へ、そのストーリーを少しずつでもお伝えできればと思います。