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ヤクコットンの糸ができるまで

vol.46
46回目の今回は、ヤクコットンの糸ができるまで、を取材しました。
すべてのモノには生まれてきたストーリーがあります。
商品を手にとるお客様へ、そのストーリーを少しずつでもお伝えできればと思います。
  • オーガニックコットンの原綿とヤクの獣毛の原材料から1本の糸へ。手間ひまかけた料理がおいしいように、使ったときに気持ちよさを感じてもらえるように素材のよさを生かしながら、ひと手間もふた手間もかけて、糸づくりをしています。秋冬アイテムのものづくりに欠かせない、ヤクコットンの糸づくりは、大阪府の「大正紡績」さんで紡績してもらっています。プリスティンで秋冬シーズンに展開している杢グレーのアイテムたちは、オーガニックコットンの白い原綿に、ヤクの黒い毛を混紡することで表現しています。染料で染めることなく、グレーの色味を表現しつつ、あたたかな着心地も感じることのできる、そんな糸作りの工程についてご紹介します。
  • こちら原材料の保管場所です。直近に使用する原材料を倉庫に保管しています。ぎっしり綿の詰まっている1俵(1ベール)は約230kg、インドやアメリカなどはるばる海を超えて届きます。
    大正紡績さんは「少量多品種」でのものづくりをされている工場さんです。月におよそ120種類の糸をつくっており、計算上では1日に6回の糸替えをして、日々たくさんの種類のものづくりされています。その開発力や、原綿と原材料のことを熟知していることも強みのひとつです。
  • まず、原材料の袋を開けるところから糸づくりの準備は始まります。袋から出して1日置くことで、空気中の水分を吸収し、オーガニックコットン同士の繊維の絡みもほぐれ、糸づくりをスタートするための準備ができるのです。
  • こちらが、ヤクというチベットなどの寒冷地に住むウシ科の動物の毛です。その体毛が含まれている糸は、コットン100%よりあたたかいのは想像できますよね。プリスティンでは、そのヤクの毛が持つ暖かさとオーガニックコットンの柔らかさ、それぞれの良さをかけ合わせることで心地のよい着心地となるよう、オーガニックコットン100%の糸作りのほかに、ヤクとコットンを混紡した糸作りもしています。
  • 次は「混打綿(こんだめん)」という、原料を最初に投入する工程です。ぎっしり綿の詰まったベールの袋から出した原綿をほぐし、原綿に付着している不純物を除去していきます。
  • 糸作りにおいて不純物や短い繊維は、この「混打綿(こんだめん)」という工程で、機械を通すことによってふるい落とされていきます。その原綿は落ち綿と言われ、短い繊維(わたクズ)のことです。
  • 長い機械の最後の部分には、異物を感知するセンサーがついており、感知をするとエアガンでゴミを打ち落とします。オーガニックコットンは、機械で摘み取ることもある一方で、人の手で摘み取ることもあり、人の手が通常の綿花の収穫に比べてたくさん必要なので、その分、お菓子などの生活ゴミが原綿に混入してしまう可能性も高くなります。
  • 混打綿工程を通った綿は、梳棉工程で櫛でとかすかのように繊維の方向性を整えながら、糸づくりには短すぎる繊維や細かいゴミ・異物を除去していきます。太いひも状のスライバーという形状になったころには、糸の原形ができあがっており、ゴミもほとんどなくなっています。原綿の状態からの比較で、おおよそ10~15%ほど不純物や短い繊維が振り落とされています。
  • 梳棉工程で出来上がったロープ状のスライバーは、繊維の方向性が一定ではありません。そこで6~8本のスライバーを混ぜ合わせ6~8倍に伸ばし1本のスライバーにする作業を2~3回繰り返します。細くて均一な1本のスライバーが出来上がるまでの工程には「錬条(れんじょう)」という、こんな工程もあるそうです。まるでうどんのようにも見えますね!
  • 左側が錬条した後のスライバー状、右側が錬条する前の糸です。パーマをかけたクセのある髪の毛と、さらさらなロングヘアの髪の毛を比較してみるとより分かりやすいでしょうか。繊維の方向を1つにそろえることで、なめらかな糸が出来上がります。
  • スライバー状にした綿を最初に混打綿工程に戻し、ヤクを混紡する工程に入ります。
    その工程を動画でぜひご覧くださいませ。
  • 混打綿で混紡された綿とヤクは、梳棉・錬条工程で程よく混ぜ合わせます。続いて「粗紡(そぼう)」という工程です。錬条工程で作られたスライバーを細くして糸にしていきます。一度に糸にせず、スライバーを紡績機に掛けられる太さに引き伸ばし、切れない程度に少し撚りをかけて巻取った糸を「粗糸(そし)」と呼びます。
  • 次に糸を細くのばして撚りをかけていく精紡工程を経た後、糸を紡ぐ紡績の最終工程「ワインダー」。太さのばらつきや汚れなど糸の「欠点」を取り除き、糸の品質を均質に整えます。この自動ワインダーでは欠点を取り除く度に切り離された糸をつなぎ直す装置が必要となります。ここで巻き取られた糸は、最終的に人の目で目視確認を行い、最終検査を経て梱包されます。
  • ここで紡績された糸は全国各地の工場さんに届けられ、ヤクコットン素材のさまざまなアイテムに製品化されていきます。肌着をはじめ洋服や靴下など、ぜひお手にとっていただければ幸いです。