PRISTINE friend 内田 啓子さん Vol.5

世界中がCovid-19の影響で揺れ、旅行どころか外出もままならない昨今、せめて次の旅行に向けて心の旅のお供ができれば、とこの場をお借りして私がこの２０年住む英国の美しいガーデン、カントリーハウス、文学などを連載形式でご紹介しております。プリスティンの愛用者の方は皆さん以前からサステイナブルな生活を送られている方が多いと思います。私は古いもの、歴史と味わいのあるものがとても好きで日本では日本の古いものを、UKでもヨーロッパの古い家具やファブリック、インテリアアクセサリーを集めています。今回はロンドンに旅行される際に訪れることのできるアンティークフェア、ヴィンテージマーケットをご紹介したいと思います。

まずは私が一番気に入っていて年３回毎回楽しみに訪れるThe decorative antique and fabric fairからご紹介します。このフェアは春、秋、冬に年３回、６日間ずつ行われます。ロンドン中心部でアクセスは非常によく、また屋内なので天気の関係で中止になることはありません。アンティークものが多いので価格は若干高めですが、UKだけではなく欧州からもディラーがトラックに家具やインテリアアクセサリーを満載してロンドン入りするので私の好みのスウェーデンやフランスの古い家具やアクセサリーも探せます。毎回火曜日が初日ですが、インテリアデザイナーやデコレターなどプロや本格的に家具を探している人々は必ず初日に買い求めるので、週末に行くと目玉商品は全て売約済みです。本気のバイヤーであるならば初日に訪問することをお勧めします。

次は屋外で行われるヴィンテージマーケット。こちらはロンドン近郊の競馬場で行われ、お値段も安めなので安心して楽しくショッピングができます。ただ屋外、屋内の併用なので雨であると屋外のディーラー（家具など大物ヴィンテージは全て屋外）は出店しないので天気予報をチェックしてからお出かけください。月に２回火曜日に行われ６：３０スタートです。朝１番で良いものは売れてしまうので遅くても７時頃には現地に到着したいです。UKにはMan & Vanという仕組みがあり、大きな車を所有している力持ちの男性がフリーランスで一般の人から仕事を請負い、家具などの大きなものや重いものの配送をサービスしてくれます。私は知り合いのMan & Vanとこのようなヴィンテージマーケットに出かけて、欲しいものを購入して一緒にトラックに積んで帰ってきます。

高級品のアンティークやファインアート、宝石を探すなら下記のMasterpiece。ラグジュアリーなショーで、シャンパンを飲みながらアンティークを探すタイプのショーです。英国人も多いのですが、世界中から予算のあるコレクターが一同に集まるショーなので、英国にとって一番美しい時期である夏に行われます。
Masterpieceなどトップエンドのアンティークフェアに行くと、本当にアンティークやファインアートが好きで購入されるコレクターもいれば、投資目的もあって購入されているコレクターも多く、このようなコレクターは各自の持っているアートのポートフォリオ作りも考えて次に購入する作品を探しています。
ヴィンテージもアンティークも古いものには歴史があり、私が所有する一番古いものは１０００年以上前に作られたイランの器です。オークションで購入したのですが、１０００年の間に何人の手を渡って、何カ国旅をしながら英国に住む日本人の私の手に渡ったのか不明です。１０００年の間、私を待っていてくれたのかな？と思うと感慨深いです。