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PRISTINE friend 内田 啓子さん Vol.6

内田 啓子 さん
欧州と日本の文化、それぞれの美を発信し東と西の文化の架け橋となるための活動を行う。Nishura Ltd. 代表(https://www.nishura.com/)

英国文化と映画

世界中がCovid-19の影響で揺れ、旅行どころか外出もままならない昨今、せめて次の旅行に向けて心の旅のお供ができれば、とこの場をお借りして私がこの20年住む英国の美しいガーデン、カントリーハウス、文学などを連載形式でご紹介しております。東京ではCovit-19の感染者が増え不要不急の外出自粛が新たに要請されたとお聞きしました。せっかくのホリディシーズンですが、今年は家で今までできなかったことにトライする良い機会なのかもしれません。今回は私のお勧めの英国文化や英国のガーデンを満喫できる映画をご紹介したいと思います。

E.M. Forster原作作品「眺めのいい部屋」と「ハワーズエンド」

まずE.M. Forster原作作品から「眺めのいい部屋」と「ハワーズエンド」をご紹介します。今では世界で活躍中の俳優たち総出演の映画で、アカデミー賞でも両作品ともたくさんの部門でノミネートされた秀作。衣装、音楽、ガーデン、ディナーパーティなど古き良き英国のアッパークラスの生活が垣間見れます。また同じ監督(ジェームスアイヴォリー)作品の「日の名残り」も見逃せません。「日の名残り」はノーベル文学賞を受賞したカズオイシグロさん原作の作品です。英国に住む日本人の家庭で育ったカズオイシグロさんだからこそ描けたと言われる、言ってみれば日本人の目を通した英国のアッパークラスの生活や戦争を通した社会の変化が描かれています。カズオイシグロさんの初期の日本を舞台にした小説「浮世の画家」も日本の戦争前と戦争後の思想の変化やそれにまつわる人々が描かれていて興味深いです。余談ですが、カズオイシグロさんノーベル文学賞受賞の一報がBBCで流れた際には、私も親戚が受賞したように嬉しかったです。

ファッション、ディナーパーティの参考にするなら「ゴスフォードパーク」

ファッションやインテリア、ディナーパーティの参考にするなら「ゴスフォードパーク」をお勧めします。私がイギリスに住み始めて一番難しいと思うのはドリンクパーティなどでの立ち話。ディナーパーティで席が決まっている場合、初対面でも隣の人と時間をかけてどんな人なのか共通の話題を見つけられますが、初対面でのドリンクパーティでの立ち話では、共通の友人の話題や映画、日本の文化や政治状況、歴史や文学、音楽など幅広く教養がないと話題が続きませんし、つまらない人だと思われるとさっと他のグループに流れてしまう。ヨーロッパの知識人は歴史や地理や各国での紛争から文化的な話題まで本当に教養があります。私は年に30冊英語の本を読むことを自分に課しているのですが、このようなパーティに行くと「もっと本を読まなければ!」と切に思います。

今のような時こそ、ぜひユーモア満載な映画を

TVドラマながら非常に質の高いクラシック作品でぜひ観ていただきたいのはBBC制作の「高慢と偏見」と「ブリークハウス」両作品とも脚本はアンドリューデイビスで、彼の脚本がTVの視聴者を惹きつけてクラシックの名作の裾野を広げたように思います。私が英国に住み始めた20年ほど前に英語の勉強をしていたころ「高慢と偏見」の原作「Pride and Prejudice」を読みながら勉強していたことや、あの頃住んでいた街Bathの街並みを思い出す、私にとってはとても懐かしい作品でもあります。最後にお勧めしたいのは「フォーウェディング」4つの結婚式と1つのお葬式を経験する中で、英国文化や英国人の気質が描かれ、シニカルなユーモア満載でとにかく楽しい映画です。今のような時こそこのような面白い映画で笑ってみてはいかがでしょう?私のパートナーを見ていても思いますが、笑顔って何十年も見慣れた顔でも美しい、幸せなものです。

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プロフィール

内田 啓子 さん
欧州と日本の文化、それぞれの美を発信し東と西の文化の架け橋となるための活動を行う。Nishura Ltd. 代表(https://www.nishura.com/)
欧州リテイルマーケット向けバイヤー、マーチャンダイザーとして、買い付け及び売り上げ分析に従事。2012年よりロンドンをベースにインターナショナルマーケティング戦略コンサルタントとして独立。欧州での豊富なネットワークを駆使して日本のライフスタイルブランドの欧州進出のコンサルタントとして、マーケティング戦略、実践をサポート。