PRISTINE friend 内田 啓子さん Vol.7

世界中がCovid-19の影響で揺れ、旅行どころか外出もままならない昨今、せめて次の旅行に向けて心の旅のお供ができれば、とこの場をお借りして私がこの２０年住む英国の美しいガーデン、カントリーハウス、文学などを連載形式でご紹介しております。まだ日本は残暑が厳しいとお聞きしています。UKは8月の中旬に３５度を越す気温が１週間続いて、９５％以上が冷房のない（必要のない）住宅であるため眠れぬ夜を過ごす人が多かったのですが、この後急に気温が下がり今は最低気温９度でちょっと寂しいお天気です。私は8月の後半から遅い夏休みを取りロンドンから北へ3時間ほど車で走りSuffolkにホリディコテージを借りて滞在しており、このリポートもSuffolkで書いています。今回のコテージは２ベッドルームの小さなコテージですが、ガーデンには川が流れ、木々のそよぐ音が心地よい美しいロケーションでメディテーションやヨガには最適です。

私はメディテーションとアファメーションを朝と夜に行うことを日課としています。メディテーションは皆さん「瞑想」としてご存知かもしれませんが、アファメーションは馴染みが薄いかもしれません。なりたい自分になること、自分を信じること、などをイメージして自分の中でビジュアル化しこれを繰り返して念じていくうちに、自然にそのように自分も行動していくというものです。私はスモールビジネスのオーナーであるため、リーダーとしてのあるべき姿、今後のビジネスの発展形などをイメージ、ビジュアル化しています。ワールドクラスのテニスプレイヤーなどはサイコロジスト（心理学者）が付いて「絶対に今回のウィンブルドンではチャンピオンになる。そのための厳しいトレーニングを課してきたので間違いない。」などとアファメーション、イメージトレーニングを繰り返し行なっており、マインドセットができている、と言われています。トップのアスリートは皆さん世界レベルの素質はあり、勝負時には精神的な面を問われるとも言われますが、この精神的なものも自分を信じると言う方法で鍛えられ勝負強くなるのです。

例えば人前でのプレゼンテーションなども「しっかり準備したから、非常に生産的なものとなる。」などと自分の中でのマインドセットができていれば、自信を持った力強いプレゼンとなり、評価も上がります。私は日本の教育ではプレゼンを行っていなかったので、UKの大学院に入って初めてのプレゼンは心臓がバクバクでした。自信に満ちた意気揚々としたプレゼンとは程遠いものでしたが、準備だけはしっかりしていたので、チューターからは「準備力だけは非常に優れている」との評価をもらいました。今はアファメーション、メディテーションの効果が難しい場面にあっても落ち着いていられる自分がいます。難しいことや予期せぬことが起きても、「ここから学ぶために私に与えられた使命かな」と思って問題解決の糸口を探し実行力を養っています。

頑張った自分へのご褒美に、定期的にこのような心を浄化できる美しい場所でおいしいものを食べてゆっくり森林浴をしながらウォーキングをしたり読書してバランスを取っています。私は働くことがとても好きで長く続けていくつもりですが（今年80歳でリタイアした母の影響かもしれません）自然に触れたり、暖炉の前でワインを飲んだり、ガーデニングで土をいじること、茶道も私の気持ちを豊かにしてくれる大切な時間です。時間と心のバランスを取りながら、なりたい自分へなるようマインドセットして、幸せを感じながら生きていきたいと思っています。