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チューブテレコの生地ができるまで

vol.61
61回目は、プリスティンの定番商品に使用しているチューブテレコの生地ができるまでを取材しました。

すべてのモノには生まれてきたストーリーがあります。
みなさまの手元に届くまでに辿ってきたものづくりの様子を、少し覗いてみませんか。

YouTubeの動画では、古いチューブ編みの機械からカタカタとぜんまい仕掛けのような可愛らしい音がしますよ。
ぜひご覧くださいませ。
  • 今回取材したのは、カットソーやニットの産地としても有名な奈良県葛城市にあるアラキニットさん。
    1973年創業、ご兄弟で工場を営むチューブ編みを得意とするニッターさんです。
  • 生地を回転させながら編む、チューブ編みの機械がずらりと並んでいます。

    「カップ付きテレコキャミソール」で使用するチューブテレコ生地や、「薄手チューブ腹巻き」「セーターインシリーズ」のチューブフライス生地など定番人気アイテムの生地を多く手がけています。

    生地のこだわりを聞いてみました。
  • 【チューブ編み機は、ゆっくりと回す。】
    生地の工場というとガシャンガシャンと、騒々しい機械音イメージですが、アラキさんはなんだか静かです。
    複数の編み機が、優雅なほどにゆっくりと回転しながら、少しずつ生地を編み進めていました。

    アラキさんでは機械の回転速度を落として編むことで、そのぶん時間はかかりますが、生地に柔らかな風合いを持たせることができるのです。
  • このように回りながら編む製法のチューブ編みは、製品になったときに脇に縫い目のないシームレスな着心地の製品を作ることができます。
  • 【天然繊維は特に、糸をリラックスさせることが大切。】
    さらに心地よい風合いにするためには糸を引っ張らず、負荷がかからないように扱い、とにかく糸をリラックスさせながら編むことを大切にしてます。

    プリスティンのチューブテレコを編むときに古い機械を使用するのも、糸をリラックスさせるための工夫の一つ。
    新しい機械はチューブの中を通って糸が編み機に入っていく作りになっているものが多いのですが、古い機械であれば糸が外に出た状態になり摩擦が減るため、静電気や糸切れを防げるそうです。
  • リラックスさせるためのこだわりのひとつが、天然繊維のみに行う「オイリング」です。食用のオイルが染み込んだ布を編み機に巻きつけて、糸に薄くオイルを塗り込むことで、糸に静電気が起きにくくなり、糸切れを防げます。

    編み機に巻かれた布の先には、牛乳瓶に入れたオイルを常に吸わせているのですが、浸透圧で余分な油は吸わない様になっています。このオイリングの技術は80歳の職人さんに教えてもらったそうです。

    出来上がった生地を洗う工程でオイルは落ちますが、風合いには良い影響を与えてくれます。
  • 【木造の建物にも、意味がある。】
    工場が木造であることも、生地の良さにつながっています。

    木が湿気を吸い、一年中湿度コントロールしてくれるおかげで、コンクリートの建物よりも外気との気温差が少ないため、季節による生地の出来上がりの差も少ないそうです。
  • 【生地の良さは、使い続ければわかる。】
    さらに生地のこだわりを聞くと、このチューブテレコは、針を打つタイミングを調節して、一般的なテレコとは異なる生地の設計にしていることを教えてくれました。それによって、編み地のかたちが丸ではなくひし形に近い編み目になっているため、同糸同組織で編んだ生地よりも伸縮性が良く仕上がります。

    製品を使い続ければ「風合い」や「耐久性」が落ちないことに気づくはず。そう誇らしげに語ってくださいました。良い製品には、生地を作る職人さんたちが、私たちが毎日使う先の事までを考えて生地作りをしてくださっていることを目の当たりにして、頭が上がらない想いでした。
  • 【製品に宿る、ニットへの情熱。】
    荒木さんは日頃から、ニッターさん同士や同業者との交流を積極的に行っています。なぜなら、情報交換して技術を磨きあう事で産地や繊維産業を盛り上げて行きたいから。

    私たちの製品は、気持ちが良い、耐久性の良い生地を作り続けるために技術を惜しまず、今日も探求を続けている職人さんたちに支えられています。
  • ぜひ、アラキさんのチューブテレコ生地を使い続けてみてください。
    きっとものづくりへの情熱が伝わってくるはずです。
\ この製品はこの場所でつくられました /
プリスティンの顔が見えるものづくり、原綿から製品までは各地域でつくられています。
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